人事管理システムの移管とICカードリーダ連携
セガサミーホールディングス株式会社
2026.03.09
概要
人事管理システムの移管に伴う既存の打刻機(ICカードリーダ)との連携と、人事情報のデータ移行などの複数のプロジェクト。ICカードリーダや勤怠管理システムに関する知見と経験を活かし、運用面での管理のしやすさを意識した連携の仕組みを設計。ご要望や変更事項にも柔軟に対応し、丁寧でわかりやすいコミュニケーションとAWS*のスペシャリストならではの提案力で、人事管理システムの移管および旧システムからのデータ移行を無事に完遂した。
構成
お客様情報
セガサミーホールディングス株式会社
お話を伺った方: ビジネスシステム部次長兼ビジネスシステム部HRシステム課課長 五十嵐様
導入前の課題と効果
課題1
人事管理システムの移管に伴い、既存の打刻機と連携するための仕組みを作る必要があった。
解決方法
「HTTP通信」と「ファイル連携」という課題に対し、AWS*上でS3*とDynamoDB*を組み合わせて連携の仕組みを設計。
導入効果
打刻する社員自身の使用感には影響なく、連携が実現した。以前よりシンプルでわかりやすい設計となったことで、管理がしやすくなった。
課題2
人事管理システムの移管に伴い、40~50万件におよぶ人事情報のデータ移行をする必要があった。
解決方法
移行リハを繰り返し、本番稼働後も調整しながらトラブルを解決。
導入効果
人事情報のデータ移行は無事に完了。今後は、旧システムに保管されたままの数十年分のデータのアーカイブ化についても検討中。
インタビュー
導入に至った背景と導入後の効果
―今回のプロジェクトの背景について教えてください。以前使用していた勤怠管理システムから新しい統合人事システムに移管することが決定したので、すでに持っている打刻機との連携の仕組みを作る必要がありました。
―従来はどのような方法で打刻の情報を連携していたのでしょうか?旧システムはオンプレミス環境で、打刻機からの情報をHTTP通信でWebサーバに直接連携・処理していました。一方、移管先の統合人事システムはクラウド環境のSaaSとして提供されており、打刻機との直接連携機能は持っていませんが、ファイル連携には対応しています。そのため、移行先の統合人事システム側で打刻情報を受け入れるにあたっての主な課題は、HTTP通信への対応とファイル連携の仕組みの構築の2点でした。
―今回、中央システムにご依頼いただいた決め手は何でしたか?以前、別プロジェクトにおいてAWS*を活用したデータ連携の構築をご支援いただいたご縁があり、今回の統合人事システムの移管プロジェクトでも、当初は人事情報のデータ移行をお願いする想定でご参画いただく予定でした。そこに加え、中央システム様が打刻機にも精通されており、勤怠管理システムとの連携実績もお持ちだとお聞きしたことから、今回の対応もお任せすることにしました。
―打刻機との連携が導入されて、どのような効果を実感されていますか?打刻する社員自身にとっては、使用感は特に変わっていないと思います。運営側としては、打刻を間違えたり何かミスしたりした場合の、打刻情報の解析が非常に楽になりました。シンプルな仕組みを作っていただけましたし、AWS*の仕組みを使ってデータの探査などもやりやすくなりました。DynamoDB*を挟んだことで、AWS*上にある程度データが溜まりつつ、一定の時間が経てば消えて、S3*の方に蓄積されていきます。「連携している」という意識がなくても運用できる形にしていただけたので管理しやすく、わかりやすくなりました。
―連携のスピード感やコスト面ではいかがですか?移管先の統合人事システム側の負荷を考慮して5分単位でデータを連携する形にしているので、打刻の反映に若干の遅れは生じますが、そんなに問題はないですね。あとは、1日の中でデータを取り入れるタイミングに合わせたメモリの増強をしていただきました。出勤・退勤の時間帯にはメモリを積んで多くのデータを取り入れる一方で、それ以外の時間帯はあまりメモリを積まないようにしています。コストをどれだけ抑えられているかは何ともいえませんが、まったく動きのない夜間にメモリを積む必要はないので、このような形になりました。
AWS*のスペシャリストによる丁寧なコミュニケーション
―今回のプロジェクトはAWS*上での課題解決が前提でしたが、「中央システムに頼んでよかったな」と思われた点はありますか?そうですね。弊社から「AWSで何とかしてほしい」という要望を出して、概要図や全体の構成をご提案いただき、AWS上でS3とDynamoDB*を組み合わせて設計していただいた形です。加えて、中央システム様は打刻機の仕組みを把握されていて設定までしてくれたのが、他のベンダーさんにはない強みでした。
―中央システムでは、打刻機のキッティングまでやらせていただくこともあります。具体的には、打刻機のどのような設定を評価いただいていますか?例えば、エラーの際に的確なエラーメッセージを返すように設定してくれたのは助かりました。打刻機にフラグをセットしたりパラメータを設定したりといった部分は、私たちにもそこまでのノウハウはありませんでした。すでにお取引があり、たまたま打刻機にも詳しい担当者さんが身近にいてくださったのは、弊社としてもラッキーでした。
―プロジェクトの進め方やコミュニケーションの部分はいかがでしたか?非常に信頼しています。担当者の方に任せておけば大丈夫と思っています。人事情報のデータ移行や他の弊社のプロジェクトも含め、いろいろと並行してご対応いただいていますが、進行管理やアウトプット、コミュニケーションの細やかさなどはまったく問題ないです。
―具体的に、どのような点で信頼していただけたのでしょうか。きちんとスケジュールを立てて、いつも「このタイミングでこれをやりましょう」というのを整理してくれます。また、最初に概要をご提示いただいて、後から細かい調整もしていただけます。プロジェクトの全体像をある程度理解してから進めていけるので、そこは非常に助かっていますね。
もちろん、成果物の品質も非常に高いです。プロジェクトの途中でこちらから変更をお願いすることもあるのですが、柔軟に対応していただけるのはありがたいです。
コミュニケーションツールとしてはTeamsを活用していますが、いつもチャットで「ここまでできました、次はここをやります」という感じでご報告いただいています。このプロジェクトの当時は使っていませんでしたが、最近は課題やタスク管理にBacklogも活用していますよね。
―はい。中央システムとしては、お客様の環境やご要望に合わせたコミュニケーションツールを使用しています。そのうえで、どのツールであっても質の高いコミュニケーションを大切にしています。今回も、ご質問いただいたときには現状やステータスがお互いに把握できるようなフローを重視しながら進めさせていただきました。そうですね。今の担当者さんとは約3年のお付き合いがあり、お互いのやり方がある程度わかっているので非常にスムーズに事が進みます。何か質問をしたときも、こちらが理解できる表現で、わかりやすく説明してくれるのがありがたいです。こちらの質問が抽象的でも、意図や背景を踏まえて理解していただいたうえで「これはこうですよね」ときちんと答えてくれますし、対応や提案もしてくれるのがいいですね。
今後の展望とご期待
―今回、セガサミーホールディングス株式会社における人事管理システムの移管プロジェクトは完了しましたが、並行して進めている他のプロジェクトについてはいかがでしょうか。そうですね、弊社のグループ会社においても同様に新しい統合人事システムへの移管を進めている最中ですし、人事情報のデータ移行なども引き続きお願いしています。ぜひ、中央システム様も大企業向けの人事システムを作っていただけたらと思っています。
―弊社はクラウド勤怠管理システムの「レコル (RecoRu)」を展開しており、給与計算や年末調整などには対応していますが、人事システムはまだないので、今後ご期待に沿えるよう精進します。ちなみに、今回ご依頼いただいたきっかけでもある、人事情報のデータ移管プロジェクトについてはいかがでしたか?移行データは40~50万件あったのですが、それだけの情報を入れても致命的なトラブルはなかったと思います。移行リハも何回もやりましたが、ユーザーがシステム慣れしていないこともあり、本番稼働して実際に使ってみないとわからないところもありました。内部コードをそのまま入れてしまったり、実際に使ってみてから気づいた変更事項があったり、一部の情報が移行できなかったりといったトラブルはいくつかありましたが、担当者の方がフットワーク軽く対応してくれました。
今後は、もっと前に使用していた人事システムに溜まっているデータの移行もお願いできればと思っています。給与や人事の情報が何十年も溜まっているので、そのアーカイブ化をお願いしたいですね。
―アーカイブ化した情報を常時検索したいのか、起動や復元に時間と手間がかかってもいいからコストを抑えたいのかによって、方向性が変わると思いますので、また改めてご提案させていただければと思います。
本日はありがとうございました。
*AWSはAmazon Web Servicesの略称
*DynamoDBはAWSが提供するフルマネージド型のNoSQLデータベースサービス
*S3はAmazon Simple Storage Serviceの略称
*TeamsはMicrosoftが提供するコミュニケーションツール
*Backlogは株式会社ヌーラボが提供するプロジェクト管理ツール>